クラリネットのお手入れ

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クラリネットは中に水分が残ったまま放置すると、雑菌が繁殖して悪臭の原因になったり、楽器が割れたりするなど、様々な問題が生じかねません。特に新しい楽器は木部が非常に乾燥しており、使用初期は水分を吸収しやすい状態です。木部が急激に大量の水分を吸収すると、楽器が短時間で大きく膨らむため、割れの原因になることがあります。毎日きちんとお手入れして、良い状態を保つようにしましょう。

世界中のアーティストから高い評価を受けている「ビュッフェ・クランポン・ジャパン サービスセンター」で、長年クラリネットの調整・修理を手掛ける技術者のひとり、沼舘比呂司さんが、正しいお手入れの方法を解説します。

クラリネットのお手入れ

使用中は5分~10分を目安にスワブを通して、管内の水分を取りましょう。ベルの下から水滴が落ちてくる前に、必ずスワブを通すよう心がけてください。使用中、管内に水が付いた状態で放置すると、トーンホールから水が出る原因になりますのでご注意ください。

スワブの通しかた

1.最初にスワブを広げ、紐もきちんと伸ばしておきます。

2.楽器からマウスピースを抜きます。

3.スワブのおもりの付いたほうの紐をバレル側から通し、ベル側からゆっくり引き抜いてください。

※ 上管上部の内側に突き出ているチューブに引っ掛ける恐れがあるので、スワブは必ずバレル側からベルに向かって通してください。

※ スワブが途中で引っかかった場合、無理に引っ張らず、反対側の紐を引いて戻してください。

クラリネット使用後の毎日のお手入れ・片付けかた

使用後はしっかり乾燥させて、良い状態を保ちましょう。

楽器のお手入れ

1.リガチャー、リード、マウスピースをはずし、マウスピースはティッシュなどで丁寧に拭くか、スワブをゆっくり通します。

2.バレル上部から3~4回スワブを通して管内の水分を拭き取ります。(スワブの通しかたはこちら)

3.接合部(写真参照)の水をガーゼやティッシュペーパーなどで拭き取ります。

  • 接合部は水分を吸収しやすいので、溜まった水は必ず拭き取りましょう。割れの原因となります。
  • 決してスワブを使って接合部の水を拭き取らないでください。スワブの吸水性が損なわれます。また、スワブにコルクグリスが付着すると、それが管内に付着して汚れとなり、ゴミがたまる原因となります。

4.トーンホール、パッドに水滴がたまっている場合は、吸い取り紙などを軽く数回はさんで水分を吸い取り、さらに管内にスワブを通します。

  • トーンホールは、接合部同様、水分が吸収されやすいので、割れの原因となります。
  • 吸い取り紙を挟んでパッドの水分を除去する場合、必ずキーを開いた状態でペーパーを引き抜いてください。キーを閉じた状態で引き抜くと、破けてパッドに貼り付いてしまいます。
  • 粉の付いた紙は、粉がゴミとなりトーンホールに溜まる場合があるので、頻繁なご使用はお勧めしません。
↓音孔に溜まったゴミの写真
トーンホールゴミ

5.管体、キー表面を柔らかいクロスで拭き、指紋や汚れを取ります。

  • キーやバネに過度な力がかからないようご注意ください。
  • キーのキャップ部分を拭く場合は、パッドに触れないように注意して下さい。パッドが破れる原因にもなります。
  • 黒ずんだキーは、シルバークロスのようなもので綺麗になりますが、頻繁に使用するとキーのメッキを剥がす原因になります。

6.マウスピースにリガチャーをつけてから、キャップをつけて保管します。

7.濡れたスワブやガーゼは、乾燥させ、楽器とは別に保管します。

↓針ばねや金属部分で怪我をしないようにご注意ください。

スワブのお手入れ

  • スワブは中性洗剤で、定期的に手洗いしてください。
  • スワブが毛羽だってきたら新しいものと取り換えましょう。汚れたスワブや、毛羽だったスワブを使うと、それが原因でトーンホールの内部にゴミが溜まってしまうことがあります。
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