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指導者に伝えたい
〈ビュッフェ・クランポン〉でそろえる魅力
吹奏楽部のサウンドの要となるクラリネット。高品質のモデルで揃えられたら何の問題もない…けれど、なかなかそうはいかないのが現実です。「全員に〈ビュッフェ・クランポン〉を持たせてやりたい…だけど予算的に無理!」と、悩める現場の指導者に向けて、アドバイスをお聞きしました。
吹奏楽部の指導者のかたにとって、〈ビュッフェ・クランポン〉はどのようなブランドなのでしょうか。
粟生田 〈ビュッフェ・クランポン〉への憧れや絶対の信頼感って、やはり現場の指導者の間には根強いんです。私自身、考えてみたら楽器を始めた最初の頃から、クラリネットパートは〈ビュッフェ・クランポン〉が9割でしたね。〈ビュッフェ・クランポン〉を選ぶ、というのはクラリネットの歴史をリアルに手にする、ということでもあるんです。
現在では「R13」「RC」「トラディション」と、大きく分けてこの3つの系統に分かれている…ということを体感できるのも〈ビュッフェ・クランポン〉の大きな魅力でしょう。すべてのモデルの個性や位置づけが、はっきりしている。だから選びやすい、ということにもつながります。
若林 まだ演奏に慣れていない段階の初心者が多いバンドでも、ストラップなどを使って安定した奏法で落ち着いて吹ける〈ビュッフェ・クランポン〉で揃えるなら、全体のバンドサウンドも安定してきます。もともと音色がいいわけですから、それに無理なく吹ける安心感が加われば、おのずとバンドサウンドも向上してきますね。
粟生田 指導者としては、〈ビュッフェ・クランポン〉特有の「系列」についての概略的なイメージをもっておくのも重要でしょう。“R13”系統はアメリカの大ホールで堂々と鳴る感じで、 “トスカ”“フェスティバル”などがそうですね。“RC”系統はヨーロッパのホールで柔らかく響く感じで、“ディヴィンヌ”“プレスティージュ”がその代表。新しい“トラディション”系統には最上位機種“レジェンド”があり、どちらも「伝統」「伝説」という意味のモデル名ながら、古き良きものだけに固執するのではなく、古き良き伝統に根ざした新たな伝説を…という想いが込められているのでは、と、これは勝手に考えています。音大、プロを目指すなら“R13” “RC”で始めてもまったく問題ないですね。自分もそうでしたし。
若林 いまの“R13”や“RC”は初期のものからすれば随分グレードアップしているから、ずっと使っている方も一度は新しい“R13”や“RC”をお試しになることをお勧めします。
さまざまな編成でのクラリネットのご経験を踏まえた上でのアドバイスは?
とはいえ、どんなに小編成でも「吹奏楽」というイメージを与えたいなら最低でも各パート1名はほしいですよね。それも無理なれば、たとえば曲が高域重視な場合ならサードを1人にして2-2-1編成にする、とか、低域重視ならその逆とかも、やむをえないかもしれません。いずれにせよ、クラリネットが少なければ少ないほど、その一本の音色の質が問われるわけですから、楽器の選択は非常に重要になります。
若林 吹奏楽は人数は多いですが、突き詰めて考えれば一人一人の音色が良ければ全体の音が良くなるのは当たり前のこと。そして、活躍する場面が多いクラリネットの音色は、人数が少なければ少なくなるほど重視されるのは当然かもしれません。そういう場面でも楽に素晴らしく多彩な音色を得られる〈ビュッフェ・クランポン〉を手にしているのは、安心を手にしているようなものです。私はいつもそう思っています。また、小編成になればなるほど、広い音域と高い運動能力を誇るクラリネットがこなすべき音楽的要素は増えてきます。どんな状況でも、クラリネットは最低一本はあったほうがいいし、そのクラリネットの音色は本当に重要になります。
私の場合は最初クラリネット四重奏でスタートしました。これもひとり1パートなわけで、音色が非常に重要なのは当然なのですが、そのスタイルから今の木管五重奏に移行した際に、先生から「これからが本当の勝負だよ、クラリネットの音色にすべてがかかってくるのだから」と言われたことが今でも忘れられません。というのは、クラリネット四重奏は人数は少ないとはいえまだほかにクラリネットがいるけれど、木管五重奏の編成ではクラリネットは一人だけ。これまで以上に音色が重要視されるのは言うまでもないことです。
最近のアンサンブルコンテストは同属楽器アンサンブルが多くて、なかなか木管五重奏に挑戦するグループは少ないけれど、クラリネット入りの木管五重奏にはぜひとも挑戦してもらいたいと思っていますし、「木管五重奏カラフル」もその範になれるよう、がんばっていきたいと思っています…と、ちょっと宣伝させてもらったけど(笑)小編成バンドは、たいていの場合予算も少ないわけですから、楽器選びはその意味でも重要ですよね。
粟生田 そう、もし可能なら、クラリネットは多ければ多いほどバンドの可能性は高くなる…。たとえば高級モデル一本を買う予算で、“E11”クラスなら複数本を揃えられるでしょう?極端な話、いくら音色が大事だからとはいえ1番だけ“トスカ”で吹いて2、3番を欠番にしておくより、“E11” で3パートをひとりづつ揃えたほうがバンドサウンド全体の向上に貢献するのは当然ですよね。もちろん編曲にもよりますが、小編成の場合は楽譜そのものの選択肢の幅も狭いから、どうしても既存の標準編成を「矮小化」せざるをえなくなる。低価格で質のよいクラリネットを複数本揃えることは、ごく普通の吹奏楽をごく普通に楽しむには必要不可欠なアイディア、だと思います。
プロフィール
粟生田 直樹 さん
東京吹奏楽団コンサートマスター。長野県小諸高校音楽科非常勤講師。中学校の吹奏楽部からクラリネットを始め、武蔵野音楽大学を卒業。現在、オーケストラ、吹奏楽、室内楽、ミュージカルなどで幅広く活躍中。
使用楽器:B♭管 〈ビュッフェ・クランポン〉フェスティヴァル、A管 〈ビュッフェ・クランポン〉R13
若林 愛 さん
『木管五重奏カラフル』リーダー。中学校の吹奏楽部からクラリネットを始め、洗足学園音楽大学を卒業。現在、TV/CM出演、吹奏楽、オーケストラ、レコーディング、ライブやツアーで活躍中。
使用楽器:B♭管〈ビュッフェ・クランポン〉フェスティヴァル、A管 〈ビュッフェ・クランポン〉R13