プロが語る、はじめての楽器選び
日本で最も古いプロ吹奏楽団という歴史を誇る「東京吹奏楽団」で活躍する粟生田直樹氏、そして、日本でもっともフレッシュな木管五重奏団と高い評価を得ている「木管五重奏カラフル」の若林愛(めぐみ)さん。〈ビュッフェ・クランポン〉 を長年愛用しているお二人に、〈ビュッフェ・クランポン〉のクラリネットについて、お話を聞いてみました!
〈ビュッフェ・クランポン〉を最初に知ったのは?
粟生田 中学校の吹奏楽部でクラリネットを始めたのですが、吹奏楽活動には熱心な学校だったので、9割が個人持ちでした。クラリネットパートは〈ビュッフェ・クランポン〉の“R13”か“RC” を使っている先輩が多かったですね。その名前を知ったのはそれが最初で、僕も先輩たちと同じ〈ビュッフェ・クランポン〉を吹きたい…と考えたのはごく自然な成り行きでした。
顧問の先生が地元の楽器店からカタログを取り寄せてくれて、それを見たらおしゃれなデザインでロゴもかっこよくて・・・それで“R13”を選んだものの、値段を見てびっくり(笑)。親にも部活には高すぎると言われましたが、顧問の先生が「生涯使える楽器ですよ」と、親を安心させてくれたんです。それで「ちゃんと勉強するならいいよ」と言われて、ようやく〈ビュッフェ・クランポン〉を手にしました
若林 私は中学校でクラリネットを始めたんです。本当は打楽器がやりたかったんですが、当時は身体が小さくてシンバルが持てなくて(爆笑)クラリネットにまわされたんですね。学校には〈ビュッフェ・クランポン〉がなかったし、メーカーがたくさんあることも知りませんでした。その後進学した高校では、一番音のきれいな子が“R13”を使っていたんです。〈ビュッフェ・クランポン〉という名前を初めて知ったのはその時でした。その頃にはもう音楽大学に行こうと思っていたので、“フェスティヴァル”を購入しました。初めて触ったときから違いがわかりましたね。
その違いとは?
お二人の「はじめての〈ビュッフェ・クランポン〉」は最初からプロフェッショナルクラリネットでしたが、初心者用のスチューデントクラリネットはどうなんでしょう?
若林 〈ビュッフェ・クランポン〉は初心者用の低価格モデルの段階から、上位機種にスムーズに移行できるような配慮が凝らされているのが大きな特徴です。だから、音大に進むとか、プロになるとかの可能性が、まだわからない初心者にも安心して薦められるんですね。
粟生田 最初から高価な楽器を買うのとグレードアップしていくのとでは、全体にかかる予算が違ってきますね。最初は安い楽器で、次に高い楽器を…という作戦だと、意外に最初の楽器の分が無駄だったな…と感じちゃうかもしれない(笑)。僕は中一で“R13”を手に入れて、それを音大の3年まで使っていました。
買える範囲内でできるだけいいものを…というお買い物の鉄則は、クラリネットでも同じなんですね。
若林 同じですね。あとは、体つき…かな。中学校低学年だと、まだまだ「小学生感」がぬけないでしょ?(笑)。自分でも経験してますから正直に言いますが、楽器をやる上で体格に合わせた楽器を選ぶことはとても大事です。<ビュッフェ・クランポン>のスチューデントモデルには、 フィット感抜群の指かけがついていて、さらに “E12″は 、後ろの指掛けにストラップが掛けられるようになっているんです!
粟生田 両手で持っているように見えますが、クラリネットの重量を支えているのは、実は口(顎)と右手親指だけなんです。
若林 右手親指が痛くて、つい楽器をひざの上に置いちゃうケースもあるくらいなんです。クラリネットにサックスみたいにストラップをつけるのは昔こそ奇異な目で見られましたけど、いまは多くの人が使っています。私は早くからB-Airを愛用しています。一回腱鞘炎になってから癖になりかけたので…大学在学中にはつけていました。
粟生田 だいぶ早いですね。個人的に言えば、僕は重いと思ったことはないけど、東京吹奏楽団をバックに吹いたフランク・ディケリのコンチェルトのときだけストラップ使いましたね。
あと、さらに特筆すべきなのは〈ビュッフェ・クランポン〉の指掛けそのもののデザインなんです。物理的に軽くなっているわけじゃないのに重量を感じにくいように、親指があまり痛くないデザインになっている。右上がりに薄くなる加工が施されているんです。昔は単なる金属板みたいで、痛かったね(笑)
若林 そうそう!痛かった(笑)。角が丸くなって痛くないように配慮されたデザインの指掛けは、かつてのスチューデントクラリネットにはついていませんでした。好みの位置に変えられるのもいいですね。
粟生田 この価格帯のモデルで指掛けにまで配慮を凝らしているのは、本当に初心者思いですね。
〈ビュッフェ・クランポン〉には、エントリーラインのスチューデントクラリネットから、最上位機種の“トスカ” “ディヴィンヌ”まで、幅広いラインナップが揃っており、“R13” “RC”はちょうど中間層のようにも見えます。この2本はどのような位置づけの楽器なのでしょうか?
吹奏楽ではもっとも多いのがクラリネットです。初心者のために、知っておくべき「クラリネットの選び方」ってありますか?
粟生田 そうですね、“E11”だと10万クラスで、場合によってはお年玉を数年貯めたら手が届く金額で、親の力を借りなくても手が届きますよね。“E11”は鳴らしやすく軽やかに音が出る。練習しやすいし、まず入門するのにはいい。“E12”になると音色に響きがつくようになる。そして“E13”になって初めて力強さというか、音に個性を感じさせるようになる感じです。“E12”は“ディヴィンヌ”、“E13”は“トスカ”につながるものを感じさせてくれますね。
若林 私は“E”シリーズの11と12の間に境界線を感じます。楽に吹く、上達するという点ではどちらも申し分ないんですが、“E12”は“E11”で感じたリミッターが外れた感じで思い切り吹ける感じだし、“E13”になると上位機種を吹いている人間がぱっと吹いても「ああ、いつもの楽器と同じ感じだな」と感じさせてくれます。
最近は大人でも、久しぶりにまた楽器を始めてみよう、という人が増えています。そういう人にお勧めの〈ビュッフェ・クランポン〉は?
粟生田 昔の楽器をメンテナンスするのもいいけど、何十年もほったらかしておいた楽器はほぼ「化石」みたいなものだから(笑)それを直すより、新しい楽器を買ったほうが結果的に安上がりかもしれません。
若林 低価格帯の楽器でも〈ビュッフェ・クランポン〉らしさが感じられるところが、〈ビュッフェ・クランポン〉の良さなんです。それに年々進化しているんで、おなじ“R13”でも昔のものとは違うんです!すごく吹きやすくなっています。
学校の備品も、古いクラリネットが多いですよね。
プロフィール
粟生田 直樹 さん
東京吹奏楽団コンサートマスター。長野県小諸高校音楽科非常勤講師。中学校の吹奏楽部からクラリネットを始め、武蔵野音楽大学を卒業。現在、オーケストラ、吹奏楽、室内楽、ミュージカルなどで幅広く活躍中。
使用楽器:B♭管 〈ビュッフェ・クランポン〉フェスティヴァル、A管 〈ビュッフェ・クランポン〉R13
若林 愛 さん
『木管五重奏カラフル』リーダー。中学校の吹奏楽部からクラリネットを始め、洗足学園音楽大学を卒業。現在、TV/CM出演、吹奏楽、オーケストラ、レコーディング、ライブやツアーで活躍中。
使用楽器:B♭管〈ビュッフェ・クランポン〉ディヴィンヌ、A管 〈ビュッフェ・クランポン〉R13