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クラリネットの基本的な組み立てかた
クラリネットの組み立て解説動画
クラリネットはデリケートな楽器です。良い状態を保ち、長く楽しめるよう、ぜひ正しい組み立てかたを覚えましょう。
世界中のアーティストから高い評価を受けている「ビュッフェ・クランポン・ジャパン サービスセンター」で、長年クラリネットの調整・修理を手掛ける技術者のひとり、沼舘比呂司さんが、正しい組み立てかたを解説します
クラリネットの組み立て方法
組み立てる際の基本的な注意点
写真のように、正しい位置でクラリネットを握り、組み立てましょう。
トリルキーやレバー、レジスターキーなど、キーに過度な力が加わると、不具合や破損が発生し、調整が必要になります。
握らないように注意して組み立てましょう
↓上管の正しい持ち位置
↓下管の正しい持ち位置
↓上管枠内のキーは握らない
↓下管枠内のキーは握らない
↓トリルキーを握ったために
破れたパッド
1.各接合部(4か所)のコルクに、指で薄くコルクグリスを塗ります。
《注意点》
コルクグリスは毎回塗る必要はありません。楽器が新しいうちや、組み立てる際にギシギシ音がするような場合にご使用ください。
木部にコルクグリスがはみ出して付着した場合は、ティッシュなどで優しく拭き取ってください。
コルクグリスを塗っても接合部が固く組み立てづらい場合は、無理せず専門の技術者に調整してもらいましょう。
コルクグリスは、メーカーによってコルク部分がきつくなるものや、コルクに浸透しすぎて接着力を弱めるものがあるので、弊社のコルクグリスをお勧めします。
2.ベルと下管を組み立てる
1.左手で下管を、右手でベルを持ちます。写真のように楽器を持ち、他の場所に過度な力を加えないように気をつけましょう。
2.ベルを左右に回しながら優しく押し込み、ベルのロゴマークを正面に合わせます。
3.上管と下管を組み立てる
1.左手で上管を、右手で下管を持ちます。この時、左手は上管のトリルキーと上管裏側のレジスターキーのパッド部を握るとパッド破れの原因になります。握らないように気をつけて、図のように上管を持ちましょう。
2.上管の連結キーは、そのまま下管とつなげようとすると、キー同士がぶつかり、キーについているフェルトやコルクがはがれたり、キーが曲がる原因になります。必ず上管のリングキーを押さえてから、下管とつなげてください。
3.上下管の連結キーが正しく連動するように、キーがつながるように合わせてください。連結キーを合わせる時、ベル側からみると合わせやすくなります。
上管の正しい持ちかた
上下管のキーの連結部分
リングキーを押さえて、
上管連結キーが上がっている状態
連結キーがまっすぐに
正しくつながっている状態
4.上管とバレルを組み立てる
1. 左手で上管を、右手でバレルを持ちます。この時も、左手は上管のトリルキーと裏側のレジスターキーのパッド部を握らないように気をつけましょう。
2. バレルを左右に回しながら、優しく押し込み、バレルと上管のロゴマークを正面に合わせます。
5.バレルにマウスピースを差し込む
マウスピースとバレルのロゴマークを、正面に合わせます。
マウスピースを差し込む際も、今までと同じように、上管のトリルキー、レジスターキーのパッド部を握らないように気をつけましょう。
6.リガチャーをつける
マウスピースにリガチャーを合わせます。リード側を手前に向けた時、リガチャーのネジが右側に位置するように差し込み、軽くねじを締めます。
ネジは一般的に右側になります。
リガチャーには、ネジがリード側にあるタイプと、リードの反対側にあるタイプがあります。(写真参照)
7.リードを取り付ける
※ リードとマウスピースは音が出る大切な部分です。先端を破損しないように、大切に取り扱いましょう。演奏時以外はキャップをつけるように心がけましょう。
1. リードの先端を湿らせます。
2.リードをマウスピースにとりつけ、リード側から見てマウスピースの先端部がほんの少し見える位置にリードを合わせます、
3.リガチャーでリードが動かないように固定します。ネジをきつく締めすぎるとリードが振動しないので、注意してください。
正しい位置
リードの位置が高すぎる
リードの位置が低すぎる
リードが右に寄っている